夏を彩る、母のグラジオラス
我が家の夏といえば、庭に真っ直ぐ立ち並ぶ色鮮やかなグラジオラスでした。
母は毎年、サカタのタネの通販で1玉500円もする上質な球根を100本近く取り寄せ、
それは見事な花を咲かせていたものです。
1メートル以上に育つグラジオラスが倒れないよう、一本一本に支柱を立てて世話をする。
その根気強さには、いつも感心させられていました。
今年の異変と、最後の一輪
今年は少し様子が違いました。 通販で頼んだはずの球根があるのに、
ホームセンターでも100個セットを2つも買ってきてしまった母。
おそらく、買ったことを忘れてしまったのでしょう。
植えるところまでは頑張りましたが、芽が出て大きくなってからは、
以前のように庭へ足が向くことはなくなりました。
それでも一度だけ車に乗せて見に行くと、白、ピンク、黄色……
母が好きな色が、夏の陽射しの中で誇らしげに咲いていました。
そして、お友達が大好きだという「紫」のグラジオラスも。
猛暑に負けず、咲き誇った姿
今年のあまりの暑さに、7月の終わりには多くの花が力尽きてしまいました。
そんな中、最後まで残ってくれた「最後の一輪」。
それを手折り、今はお仏壇の母にお供えしています。
来年へのバトン:球根を繋ぐ
グラジオラスは、花が終わった後に球根を掘り起こして管理すれば、また来年も咲かせることができる花です。
「来年は、私がグラジオラス作りに挑戦してみよう」
母が1本1本支柱を立てて守ってきたあの風景を、今度は自分の手で再現してみたい。
そう心に決めた夏の終わりでした。

